治療にかかる期間

個人差がありますが、パニック障害だということに早く気が付くことができて、専門医のいるクリニックで治療を開始すれば、早い人で3カ月もすれば治まる人もいます。 薬が非常に有効に作用するので、治療が早ければ、服薬を始めてから1、2カ月間くらいでほぼ完全にパニック発作の症状を抑えることも可能です。 ただ、治療の間にうつ病や睡眠障害、アルコール中毒、過食症など、ほかの病気を併発してしまい、パニック障害を慢性化させてしまった場合は、かなり長引く場合もあります。 5~10年ぐらい治療をつづけている方も少なくありません。    

服薬は続けることが大事

パニック障害が完治したと思っても服薬は続けることが大事です。 パニック発作もなくなり、外出することもできるようになり、今まであった不安感も安らぎ、薬を飲まなくても普段と変わりなく過ごせるようになったら、大抵の患者さんは服薬を止めてしまいます。 自分は完全に治った、パニック障害の治療が完了した、と思われるわけです。 ですがパニック障害の患者さんからデータを取った結果、治療が完了したと思って服薬を中止した患者さんのうち、約8割の患者さんにパニック障害の再発が見られたということです。 ですから、お医者さんからOKのサインが出るまで、自己判断で治療を完了したと思わずに、1年ぐらいは服薬を続けることが、正しい方法です。    

パニック障害に有効な薬

治療には薬が非常に有効だとよくいわれています。 なぜならパニック発作が薬でコントロールできるからです。 しくみは、脳内にある神経細胞が、何らかの理由によって誤作動を起こし、危険な状態ではないにも関わらず警報を出してしまうことで体が発作を起こしてしまうということがわかっています。 神経細胞はある一定量を越えて刺激を受け続けて興奮が高まってくると、次第に興奮の度合いが低くても興奮が引き起こされるという性質があるのです。 ですから、非常事態を平常な状態にし発作を止めることが、薬によって興奮を鎮めることで、できてしまうわけです。 治療では、まずパニック発作を抑えることが必要なので一般に抗うつ剤と抗不安剤の2種類を使用します。    

脳内物質「セロトニン」

まず、セロトニンとは何なのか? セロトニンとは人間の精神活動に大きな影響を与える「トリプトファン」という必須アミノ酸から生成される脳内神経伝達物質です。 主に、「やる気」や「元気」を司る物質で、これが少なくなったり、正常に働かなくなると、 「なんとなくダルい、やる気が出ない」 「ストレスに弱くなり、不安を感じやすくなる」 「朝起きてもなかなかシャキっとしない、行動が遅い」 「集中力が切れやすくなってしまい仕事が進まない」 こういった症状に陥りやすくなります。 パニック障害を抜きに考えても、軽視してはいけない存在で、いかに大事か分かると思います。 では、どうすれば強いセロトニンが増やせるのか? セロトニンはリズム運動によって鍛えられると言われています。 一定のリズムで行なう腹式呼吸や、ジョギング、ウォーキング、ガムを噛む、などにより、セロトニンは強くなり、良質なセロトニンの量を増やすことができるのです。 セロトニンを意識し、そして鍛えることはパニック障害を治す上で非常に大事です。    

抗うつ薬

現在パニック障害の治療に使われる抗うつ剤の代表はSSRI(選択的セロトニン再取込み阻害薬)です。 脳内にある不安(セロトニン)を抑えてくれる神経伝達物質を増やし、パニック障害の症状を改善させてくれます。 長期間の服用も可能で副作用が少ないことがメリットです。 特にうつ症状、広場恐怖、には非常に有効です。 デメリットは治療効果が出るのが遅いということもありパニック発作の抑制自体にはあまり効果がないといわれています。    

抗不安剤

もう1種類は、うつ病の患者さんに使うのと同じもので、ベンゾジアゼピン系抗不安剤です。 パニック障害の症状で、パニック発作と予期不安に対して有効です。 メリットとしては使用効果が早く出るということです。 デメリットとしては、食欲不振、吐き気、眠気、などの副作用があります。 また、常用すると依存症になったり、使用をやめると禁断症状が出たりもします。    

パキシルとよばれる薬

パキシルは、パニック障害の治療開始直後や、急に服薬を中止してしまった場合などに多少不快な症状が出ますが、パニック障害の薬として、長期間使用しても体に害がなく、一番効き目がある優良な薬として使われています。 しかし即効性はありません。 個人差がありますが、服薬をはじめて効果が出始めるまで2週間くらいかかり、効果が安定するまでに大体1カ月くらいかかるといわれています。 遅い人では安定してくるのに2、3カ月かかるという場合もあります。 また、十分なセロトニンが体に蓄積されるまでは長期的に服薬を続ける必要があります。    

パキシルの副作用

個人差がありますが、時期としてはパキシルの服薬を開始してから1~2週間後に一番ひどく出ます。 その時期を過ぎれば徐々に副作用はおさまってきます。 症状としては、めまいや眠気、吐き気などです。 便秘になる、食欲が落ちる、口が渇く、といった症状を訴える人もいます。 それから、パキシルの服薬を急に中止してしまうと、吐き気、頭痛、めまい、ふらつき、などといった離脱症状が現れることがあります。    

デバスとよばれる薬

デバスをはじめとするパニック障害に使用される抗不安薬は、そのほとんどがベンゾジアゼビン系化合物です。 広く使われている理由としては、即効性や安全性が挙げられるでしょう。 もしデバスを誤って大量に飲んでしてしまったとしても、安全性の面で言っても重大な事態にはならないと言われています。 また、デバスはパキシルと違って即効性があるのもメリットで、パニック発作や予期不安を抑えるのに効果を発揮します。    

デバスの副作用

現在パニック障害の治療に有効な薬として使用されているデバスですが、その一方で、デバスには副作用もいろいろとあるようです。 代表的なものとしては、個人差もありますが、倦怠感、脱力感、めまい、眠気、ふらつき、などです。 ひどい人になると、ろれつが回らなかったり、うまく歩けない、頭痛がする、口が渇く、場合によっては黄疸が出るなどの肝機能障害を起こす可能性もあるようです。 また、デバスを服薬すると眠気があったり注意力が散漫になったりすることもあるので、自動車の運転なども避けたほうがいいでしょう。 パニック障害の治療においてデバスを常用すると依存性、耐性ができてしまうことでも知られています。 つまり、長期間デバスを使用すると体が薬に慣れてしまって、効きが悪くなってしまうのです。 さらには、飲み続けていると依存性が出てきてしまい、止められなくなる人もいるようです。 服薬を無理に止めると禁断症状が出ることもあり、パニック障害の治療へ支障が出かねません。